UX KANSAI「よいサービス・製品のための、UXデザインの考え方」

カンファレンスの本編よりコーヒーブレイクの方が議論が白熱する。そんな形態の議論を促すべく、講義の後は各自で持ち寄ったテーマをグループで議論する「ラーニングバー」を執り行った。<http://peatix.com/event/227184>


前半戦は講義から

まずは講義を聞く。浅野先生の概論は同じ話をされていても聞く度に印象が変わるのが面白い。
初めて聴くと勘所の多さのあまり分からないなりに惹かれ、何かガツンと殴られたような感じになる。一周学んで聞くと、記憶が薄れていたテーマを思い出すとともに、各テーマ同士の繋がりかたに気付く。実は自分自身が変わったことを感じ取る。

倉光先生はUXコミュニティーから巣立たれた卒業生として、クックパッドで活躍しておられる。実務的なお話で、「あくまで一例」と仰っていたけれど、小さなサイクルを多く回すという基本を忠実に実践していらっしゃる。


ラーニングバーに突入

講義を聞いて各自が議論したいと思ったテーマを付箋に書き記す。最初の席は自由だけど、座ったグループで取り組む訳ではない。

50人の参加者が次々と議論テーマを付箋で張りに来るのを事務方がグルーピング→ラダーアップ→ラベリングする。KJ法を源流とするUXデザインの基本所作ながら、参加者を待たせないように時間のプレッシャーが凄かった。

テーマに対してリーダーを割り当て、参加者は興味のあるテーマに群がる。人気テーマで人が多過ぎると議論に参加できないので、5〜6人になるようにする。

「私のラベリングがイケてなかったら遠慮なく書き換えてください」と依頼して回る。付箋の数が密集する「ユーザー調査の方法」のようなテーマは、「定量・定性」や「関与あり・なし」のように、テーマを分割しても良かったなと反省。


つまみながら議論

舌を滑らかに議論するため、つまめる軽食が振る舞われる。議論が始まると「食べてる場合じゃない!」事態になり余るので、ちょうどよい発注量を読むのは難しい。

議論スタイルはチームそれぞれ違う。囲われた談話スペースを使ってギュッと寄り合って議論できるのは、オカムラさんのラボならでは。

いつものUX KANSAI連続セミナーだと常連参加が多い中、平日開催にしてみるとHCD-Netから流れてきた人など普段と違う顔が見られる。有資格者が場を先導しているような印象だった。


お互いの議論を発表

短い時間の中で各チームまとめてくださった。時間直前、誰が発表するのかじゃんけん!

各チーム発表の様子。敷居の低いイベントだし、ライトな雰囲気かと思いきや、講師批評はやっぱり鋭かった。個人的には、お金を払った分を取り返すには、いっぱい批評されたら儲けものだと思う。
受け身になって話を聞くだけよりも自分でアウトプットすることで学びが深められる。私は裏方のため議論に参加していなかったのだけど、こんな学びの形態があることは新鮮だった。

印象に残ったこと

書き始めるときりが無いくらいの示唆が膨大で、来てくれた後輩からも「脳が疲れました」というお誉めの言葉をいただいた。画像は自分が気になったことをノールックで書き記した手元のメモ(字が汚い)。

強いて選ぶとすれば、『クックパッドでは「UX」という曖昧な単語を使わずに表現する』というお話の印象が強かった。つくろうとするものに触れた人が、どんな状況で、どんなセリフを言わせれることを狙っているか具体的に文章で表現するということ。
KJ法の付箋は「具体的な文章で書くべし」という教えとも一致していて、直観的にも正しいと思える。そうは分かっていても、便利な言葉で思考停止したくなる誘惑を振り切るのは難しいこと。

具体的な文章で表現した目的とは別に、計測可能な目標を置くという話もあった。手法やプロセスを導入することに向かいがちな参加者に対して、目的に向けて置いた目標を達成していることで成功を測るべしという文脈でお話しされていた。
自分の仕事に振り返ると、人の作業を省力化することを目的としたB2B製品を作っているけれど、そもそも目的が「省力化」では浅く、定量化できそうで実は曖昧なところがある。省力化した先に、ユーザーは創り出した時間で何をやって、どんな気持ちになるのかまで深堀りすれば、目標として採用すべきパラメーター(ウォークアウェー、ターンアラウンド、レスポンス)が言える。

これまで、B2B製品にUXデザインが活躍する余地があるのか?と思うところはあったけれど、どんな小さな機能追加にも「あるよ」と言えそうに思えてきたことが今回の収穫だった。一方で、UXを具体的に記載した目的を実現した成果として、お茶を濁したような「ブランド価値の向上」ではなく、自分たちのビジネスに繋がっているのかは自分の中で残課題。

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